たぬきの毛皮のミョウバンなめし(テキトー編)

テキトーミョウバンなめし

二匹目のタヌキのロードキル(礫死体)を拾った時には、以前に記事にした通り初めての止めさしを経験することとなりました。そのタヌキは解体するなり全ての肉を鍋に入れて「八角煮」に。こうすることでタヌキの臭みが消えて一般的にも美味しく食べれるんです。

半死半生のロードキルたぬきと止めさしについての考察

たぬき汁とたぬきの八角煮(レシピあり)

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さて、表題に話を移しまして毛皮のなめしについて。

一匹目のロードキルタヌキはそのタヌキの脳みそを使って毛皮をなめしたのですが、それはそれは肉体的に(も精神的にも)疲労したので今回はどうしようかと非常に迷いました。

タヌキの毛皮を脳みそを使ってなめす

何しろロードキルとの遭遇はもちろん突然ですから、こちらの予定は大きく狂うわけです。お陰様で畑やら田んぼやらの作業で日々忙しくしている最中。捨てられる筈だった肉を余すところなく食べたのですから、それで十分でしょう。

とは思いつつもなんだか後ろ髪を引かれるところがあったので未処理の毛皮はビニール袋に入れて冷蔵庫にしまっておきました。

ちなみに保存の際は皮の肉面に塩を擦り込んで冷所に置いておくのがベターです。その場合、なめし作業の開始にあたってはぬるま湯に一日つけて戻す必要があります。しかし僕は特に何も処理せずにそのまま冷蔵庫に放置。

それから時々思い出しつつも一週間。忙しさにかまけて手がつけられないでいましたが、なんとか重い腰をあげてタヌキの皮をなめすことにしました。

今回のなめしのテーマ

今回のなめしのテーマは

「如何に手間隙をかけずになめすか。仕上がりは気にしない。腐らなければ良い。」

です。

何しろタヌキの毛皮にばかり時間を割いているわけにもいかない状況にあること。そして作業を簡略化してそこそこのものが出来るのなら、これからいつ何時なめし作業に迫られてもうろたえることはありませんから、その実績を作りたいということ。

結果を先に申し上げますと、まあまあ、ぼちぼち、so soな仕上がりとなりましたが、腐ることも腐る様子もありません。革は硬いけれど、これはこれで使いようかなと。

以前の脳みそでなめした革は丁寧に作ったので柔らかいです(これは後日犬に食われてズタズタになってしまいました・・・)。

インターネット上で毛皮なめしについて調べると皆さんとても丁寧な作業をしているので、これから挑戦しようとしている人には少しレベルが高く思われるかもしれません。しかし、これだけ大雑把にやっても「このくらいのクオリティのもの」が出来るということであれば少しは取っ付き易くなるだろうと思いますので、この度のなめし作業を紹介します。

高いクオリティを求める人は他の方のページをご覧になるのが良いと思います。

が、今回のなめし作業でも、いくつかのポイントを改めたり、気をつけたりするだけでだいぶ仕上がりが違うのではと思うので、質の高い毛皮を作りたい人にも参考になるのではと思います。

ミョウバンなめし

毛皮をなめすにはクロムなめしやタンニンなめし、脳漿なめし(脳みそ)などがありますが、その中でもっとも手軽であるのがミョウバンなめしです。

ミョウバンは一般的なスーパーでも購入できるのが嬉しいところ。茄子の漬物の紫色を鮮やかに保つために使われる食品添加物として販売されています。草木染めの際にも利用しますね。

余計な肉と脂肪を取り除く

まずは皮の内側に取り残してしまった肉と脂肪(フレッシュレイヤー)をナイフを使ってできるだけ綺麗に取り除く作業です。

解体の上手な人は精肉の際に肉に出来るだけ多くの油を残すことができるのでしょうが、僕はまだまだ経験が浅いのでそううまくはいきません。それにタヌキはびっしりと皮下脂肪がついているので皮と肉を綺麗に分けるのは簡単ではありません。

タヌキの脂は融点が低いらしく冷蔵庫から出したてだとなかなかこそぎ落とすのが難しい。ですが、昼間に外で作業をしていたので、タヌキが温められるほどに取り除き易くなっていきました。

なるほど、タヌキを解体した際にも少しだけ脂肪をこそぎ落としていたのですが、その時も止めさししたてだったので脂肪が温かく作業が楽でした。

しかし今回のなめしはいかに大雑把にやるかがテーマですから、30分から小一時間ほどやったところで終了ということに。端っこの方には肉が残っていますし、脂肪のレイヤーもそこここに残っています。これらを取り除かないとなめし液が入らないと言いますが、もうこれでよし。お昼休みの間の作業です。畑に戻らないといけません。

というわけで次の作業へ。

ミョウバンを毛皮の肉側に刷り込む

インターネットなどで調べると、ミョウバンなめしを実践している人の多くはミョウバンと塩をぬるま湯で溶いた「なめし液」に毛皮を10日ほどつける方法を取っておりますが、ミョウバンと塩を5:1の割合で肉側に刷り込んで10日ほど放置という方法を図書館の書籍にて発見。

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ネットでさらに調べると生のミョウバンを塩なしで刷り込んでいる人もいたので、それならばと近所のスーパーで買ってきた乾燥ミョウバンでも塩なしでできるだろうと思い、ものは試しにとやってみました。

というわけで、毛皮の肉側に乾燥ミョウバンを30gほど刷り込んで、厚めの新聞紙で毛皮を挟んでは、折りたたんで10日間ほど屋根付きの野外に置いておきました。

一般的にはなめし液につける前に洗剤などで肉面の油分をしっかりと洗い流すのが一般的なようですが、僕は面倒なのでしません。というか普段から洗剤をほぼ使わない生活をしているので、ここでも使わないだけです。脳みそなめしの時も使いませんでした。使う場合は自然洗剤など、環境に負荷の少ないものを使うのが良いでしょう。

10日経過。ミョウバンを削り落とす。

10日経ったので、天気が悪くて畑の作業が捗らない日を選んでナイフを使ってミョウバンを削り落とします。

心配だったのは塩を刷り込んでいないのでカビたり腐ったりしていないかということ。しかし、ほんの少しだけ赤や黄色のカビが生えている程度で、9割9分カビていませんでした。製品化されたレザーだって湿気の多いところに放置しておくとカビるわけですから、こんなものも問題ないも同然ですね。ミョウバンが乾いて無事、皮が革っぽくなっています。

しかしこの作業をしたのは4月上旬。これが梅雨時期や真夏での作業だとどうなるかはわかりません。できるだけ風通しの良い冷暗所に安置するのが良いでしょう。また、あまりに環境が過酷な場合はミョウバンと合わせて塩を擦り込んでおくのも良いと思います。

オイルを塗りこむ

ミョウバンを取り除いたらオイルを肉側に塗り込みます。

食用の油でも良いようですが、10年前くらいに買って使い道を失っていたペカードオイルがあったのでそれ塗りこむことにしました。レッドウィングを筆頭に著名なアメリカ革製品メーカーが推奨しているオイルですが、石油製品が入っているため使わなくなっていたのです。

しかし余っていてもしょうがないのでここで使ってみることにしました。

乾燥

釘などでピンと張って板張りにして乾かすのが一般的なようですが、ハンガーにかけて納屋で部屋干ししました。

ストレッチ

毛皮が乾いたら硬くなってパリパリになります。脳漿なめしをした時は半乾きの時にストレッチをするのが良いとのことで、乾燥具合を逐一チェックしては半乾きになったところから順々にストレッチしていったのですが、今回は最後まで乾燥させてしまいました。そのようにしている人もいるようなので。

パリパリになった毛皮を力一杯引き伸ばします。本気で引っ張っても切れませんからご安心ください。伸ばせば伸ばすほど革が柔らかくなっていきます。

今度はその辺に落ちている石で肉面をガリガリとヤスリの要領で削ります。軽石があると調子いいです。もちろんヤスリがある人はその方が早いかもしれません。

今回は脂肪を取り除く作業が大雑把だったのでここで大量のカスが出てきます。消しゴムカスのように。力を込めてガリガリとやります。

そして再び力一杯毛皮を引き伸ばします。さらに革が柔らかくなっていきます。

図書館で読んだ本によるとこのストレッチの段階でオイルを塗りこんでいます。確かに革が硬いので、ここでもぺカードオイルを塗り込みました。

完成

「とりあえず完成」と言った方が正しいです。

作業のちょっとした合間に完成度を全く求めることなく、時間と体力を限りなく節約して、とりあえず腐らないように毛皮に処理することだけを目標とすると、このような感じになるようです。

正直のところ肉面の方は別に綺麗にできなくても良いと思っていたのでこんな感じでガタガタでもOK。

しかし毛の方はそこそこフカフカになればと希望していたのですが、どこを間違えたか毛の真ん中の部分の毛並みがあまりよくありません。

真ん中の方がドレッドのようになっている。そして毛が抜けやすい。

記憶を遡ってみると冷蔵庫から出して余分な肉と脂肪を取り除いていた時点でこのような毛並みになっていたような気がします。タヌキを解体して疲れ果てて毛皮を冷蔵庫に入れた時点で勝負は決まってしまっていたのでしょうか。

前述したように塩漬けにして保存すれば毛並みは保たれたのかもしれませんが、それをぬるま湯で戻す時間が長すぎても毛が抜けやすくなってしまうそうです。たぬきの肉面を洗う時も毛の方にはできる限り水をかからないようにするのが良いとも言いますので、原因はその辺りにあるような気がします。

とはいえ、ロードキルたぬきの一匹目で脳みそなめしをした際には初めてということもあって莫大な時間をかけてしまいましたが、今回の「テキトーミョウバンなめし」ではおそらくその1/10くらいの時間しか費やしていません。そのくらいラフにやりました。

おかげで作業工程のどのポイントに重点をおいて、どこで手を抜いて良いかがわかりました。

解体して精肉をした流れで、毛皮の肉面の余分な肉と脂肪(フレッシュレイヤー)を取り除いてしまって、ミョウバンを塗り込むところまでいければ理想ですね。フレッシュレイヤーとりは頑張り過ぎず、ほどほどに。

端っこの方は肉と脂肪が取り切れておらず硬い。
特に肉を取るのが難しい顔のあたりはスルメのように固くなっている。

サクッと解体作業をして、サクッとフレッシュレイヤーをこそぎ落とせる位に技術が体に染みつけば、毛皮をなめす作業はグッと楽になります。

何しろミョウバンをつけて終えてしまえば、残りの作業はそんなに気を使う必要がないからです。ストレッチするのに力がいるくらいで。

ストレッチについても今回は全くと言っていいほど頑張っていませんが、やはり半乾きの状態で革を伸ばす作業ができた方がしなやかな仕上がりになるのではと思います。

まあ、商品クオリティを求めれば別の話ですが、このくらい気軽な毛皮作りがあってもいいじゃないですか。

きっとこれを繰り返していけば気軽に上質な毛皮を作れるようにもなるのかなと期待もしつつ。

今回の毛皮も座布団くらいにはなるので十分です(犬に食われる危険あり)。

プラス、経験と考察のチャンスをいただきました。

とりあえずは、気負わず、考えすぎず、ただただやってみる。というのも大事です。よね。

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百姓2.0/自給リスト(自足に限らず);野菜、米、塩、味噌、建築、トイレ、経済、国家、獣肉(拾い物)、書籍、映像、音楽 etc /自著『旅をふりかえる旅』https://amzn.to/2Wb1mNs、『下らない生き方』https://amzn.to/2ZEjgKf /
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