環境汚染が学校の成績や収入の低下を招き、経済を弱体化させるという研究結果

自然環境を守ることに対して積極的でない人がどのような点について懸念を持っているのか考えてみると、「そんな生産性のないことより経済成長を優先すべきだ」とか、「そのために便利な道具を手放したくない」などと言うことだろうか。

しかし環境の汚染によってその経済そのものや、僕たちの幸福が脅かされるとしたらどうだろう。そしてそれは僕たちの健康が害されることによって引き起こされ得る。

ニューヨークタイムズの以下の記事が各種研究結果と共にまとめてくれているのだが、僕たちは汚染物質の影響に晒されると学校の成績が落ち、仕事での生産性が下がる恐れがあると言うのだ。健康状態が良くなかったら集中できない。結果、教室や職場では身が入らず、社会の生産性を脅かし、個人としては収入の低下につながる。言われてみれば当たり前の話である。

How Pollution Can Hurt the Health of the Economy ー New York Times

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母親の生活環境が子供の健康に影響を与える

これはよく言われることではあるが、汚染物質による影響は成人より子供達の方が大きい。そして上記の記事でも指摘されている通り、妊娠時の母親の生活環境も健康に影響を及ぼしかねない。子宮内で遭遇した汚染物質が長期的な影響を及ぼすとの研究結果が出ているのだ。

井田徹治著の『有害化学物質の話』にもあるが、母親の血中のダイオキシンなどの濃度が高いと、子供の体重が小さくなったり、母親のへその緒の血中PCBが高いと、子供の数値も高いこと、そしてIQが低くなることが指摘されている。

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恐ろしいのは子供を生んで、母乳を与えている女性の方が、子供のいない女性や男性よりも血中PCBが低い傾向があるということだ。母親の汚染が子供に移行していくことをそれは示している。

ニューヨークタイムズの上記記事でも高レベル汚染下に対して低レベル汚染下で生まれた人ほど生涯の収入が高くなる事、汚染地帯が清掃される前と後では、後に生まれた子供たちの方が学業レベルが高いこと、汚染地帯では仕事の効率が悪くなったり、休みを取る人が多いことなどが研究によって明らかになっている。

僕も19の時に東京を離れてアメリカに行くまでは、両鼻が通った記憶がほとんどない程の鼻炎持ちであり(運動しているときは除く)、授業中に鼻水がズルズルにでもなると、早く休み時間にならないかとばかり考えていたものだ。

とにかく集中できないし、個人的には鼻づまりや鼻水は立ち上がって歩き回ったほうが緩和される。成績では別に苦労はなかったけれど、鼻炎がなかったらもっと生活の質も知能の出来もよかったのだろうなと思うこともある。東京に寄り付かなければ鼻の調子は良くなるので、今のような地方暮らしがちょうどいいのだ。

考えてみれば僕は1987年生まれで、1986年のチェルノブイリ原発事故の翌年生まれ。活字からの情報にはなるが、そのころの東京の水と空気の汚染は本当に酷かったと言う。子供の頃母方の田舎の福島から帰ってきて、東京で高速を下りて車の窓を開けた時の匂いと言ったら堪らなかった。生まれた時の環境の悪さも僕の鼻炎に影響したのだろうか。

放射能汚染も同じ文脈で語られるべきでは

この問題は東日本における放射能汚染にも当てはめることができるのではないかと思う。

放射能によって重い病気を患ったり、最悪亡くなってしまうことも大変な問題なのだが、それによって何となく調子が悪い日々を過ごすことによる問題も同様に語られるべきである。

学業に身が入らない、仕事に集中できない、何と無くだるい、やる気が出ない、などなど、人生並びに日々の生活の質の低下が起きている可能性が考えられるのだ。

それは必ずしも放射能が原因とは言い切れない、と言う意見について僕がいつも思うことは、

空気や、水や、土壌や、食べ物などの汚染によって日々ジャブを食い続けた体に、放射能のハイキックを食らったら死ぬかもしれないだろうということである。ハイキック一発なら命には別状はないかもしれないけれど、それまでの連打のダメージの追い打ちとしてのキックなら話は別である。

それに汚染物質への影響は個人差がある。鼻から風邪を引く人もいれば、喉からの人もいるように、これらの物質に比較的強い人が、汚染など大したことないと言ってはいけない。

なかなか環境問題をストレートに語っても社会の重い腰を起こすことは難しいので、今回のようにそれが経済を弱体化させる要因になり得ることを諸処の研究が明らかにして行ってくれることを今後も期待したい。

汚染物質の数値よりも、GNPや株価の方が社会が動くというのが世の常のようだから。

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百姓2.0/自給リスト(自足に限らず);野菜、米、塩、味噌、建築、トイレ、経済、国家、獣肉(拾い物)、書籍、映像、音楽 etc /自著『旅をふりかえる旅』https://amzn.to/2Wb1mNs、『下らない生き方』https://amzn.to/2ZEjgKf /
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