オンデュリンクラシックシートで瓦屋根を葺き替える

11月の末くらいから始めてボツボツやっていた納屋の大屋根の工事がほぼほぼ完成したので、今回採用したフランスのオンデュリン社によるクラシックシートという屋根材の自己流の施工についてまとめてみようと思う。

オンデュリンクラシックシートとは

オンデュリン社はフランスの屋根葺材メーカーで、天然のセルロース繊維にアスファルトを染み込ませた商品を展開している。

クラシックシートはその中でも最も安価な製品で、いわゆる波板と呼ばれるものだが、下の写真でも見て取れるように波板の波の高さは大きい。メーカーによると以下のようなスペックになる。

幅:95 cm
長さ:200 cm
働き平米数:1.59 m2/シート
重量:± 6.5 kg/シート
波の高さ:4 cm
波の数:10波/シート

ホームセンターで一枚2000円程度で購入可能。例えばガルバニウムの銀色の波板が6尺(幅655×長さ1829)で1000円くらいで買えるが、施工の際に隣り合った波板を重ねる必要があるので働き幅は600mmとなる。

クラシックシートの場合は屋根勾配(10度以上)にもよるが一山重ねるだけで良いので、働き幅は850mmくらいある。長さが2000mmあることを考えると、ほぼほぼガルバと同程度の価格と考えて良いと思う。

ホームセンターでは取り置きしか対応してくれないが、軽トラを1時間程度無料で貸してくれるので、そのサービスを利用して家まで持ち帰っても良いし、下の楽天のサイトでは10枚単位なら家まで配送してくれる。ホームセンターよりは割高だが、手間はかなり省ける。

僕はこのクラシックシートは近所のホームセンターに注文したが、その他、ビス用のキャップや棟シートは楽天で注文している。

施工方法

オンデュリン社が公開しているビデオを見ると大まかなイメージはつかめると思うが、詳細がいまいちわからなかったりする。

[Made by me] How to install Onduline Onduvilla roofing for DIY applications

以下の写真は実際に僕が施工したものであるが、1から4の順にビスで固定してある。3の波板は縦に半分にカットしてあり、それによって1、2の列と3、4の列で互い違いに重なるようになっている。

この写真を見て気になって人もいるかと思うので先に述べておくと、僕は色々考えた末に野地板に直接クラシックシートを葺くことを選択した。

普通だったら、敷き詰められた野地板に、アスファルトルーフィングなどの防水シートを敷いて、その上に角材を等間隔に打って、その角材に屋根材をビス留めするというのがセオリーかと思う。

そうしなかったのは、いつかこの建物が壊れるときにゴミになるものを増やしたくなかったことと、限りなく余計な買い物をせずに、廃材を使うくらいですませたかったからだ。

野地板の感覚が空いているのも、結露を防ぐためであると同時に、野地板がごっそりと腐った部分を穴埋めするために、健常なところから移動したことによる。相当痛んだ屋根だったから、本当なら野地板もいっぱい買ってこないといけないところだが、この方法にすることで全く買わずに済んだ。買ったのは波板と棟カバーとキャップとビスだけ。

それにしても全体的に上の写真の間隔で野地板を施工したのにも関わらず、剥がした板に余りが出なかったのは驚きだった。それほど腐った箇所が多かったので全部使い切ったのだ。

ビス打ちの間隔は上の図を参照。僕の施工した屋根は勾配が15度以上だったので、野地板の具合と相談しながら60から70cm感覚で4列ビス留めした。

1番下の列は全ての山に。2、3列目は1山空けて、4列目はその上に来る波板と重なる部分になり、上に来る波板にとっては一番下の列になるので全ての山にビスを打った。

横方向は一山重ねる一方、縦方向の重ね幅は17cmだ。これも上の図の通りである。メーカーによると軒先の最大突出長さは7cmということになっている。

ちなみに上の写真で軒の方だけ野地板の隙間が空いていないのは屋根材にかかる風の影響を極力小さくするためだ。

ビスはこんな風にして専用のセーフトップキャップに通してインパクトドライバーでビス留めする。純正の釘とのセットもあるが、僕はコーススレッドを使用。野地板に直打ちなので、保持力の高いコーススレッドの方が良いと判断。推奨される長さは75mm。

ビスを打ち込んでからキャップを被せる。指で押すくらいの力だと全然はまらないので、インパクトの底のバッテリーの部分で叩いてはめ込んだ。ハンマーを使っても良いけど、屋根の上で複数の道具を使うのは煩雑だし、落としたりするのは面倒だ。

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こんな調子で、瓦を剥がして、その下の土と杉皮を取り除いて、野地板と垂木を補修して、オンデュリンクラシックシートを葺くという作業を、天候と相談して、シートで守りながらひたすらに続けたのである。野地板が腐りまくっていたことは述べたが、垂木も3、4本に1本は悪くなっていた。

クラシックシートの切断

ちなみに、縦方向に2枚重ねても棟までわずかに長さが足りなかったので、40cmにカットしたものをその上に取り付けている。

切断には普通の手鋸を使用した。墨付けは白いチョーク。1、2mmズレたって別に良いというスタンス。

クラシックシートは前述の通りアスファルトが染み込ませてあるので、切るほどに鋸の歯にこべりついて、切れ味が悪くなって動かなくなる。

なので廃油(我が家に残置されていたもの)などで潤滑油にしてやって、切断を進める。廃油で詰まりの多少は落ちるが、多少だ。詰まったままでも十分に切れる。最初は目が細かい側の方が切りやすいと思っていたが、後半は、反対側の目の荒い方で切るようになった。

ネット上には丸鋸を使った人もいたが、刃が勿体無いし、機械に固着しても嫌なので使わなかった。お隣さんにはグラインダーを勧められたが、機械への影響を考えるとやはりやめておいた。

棟カバーの取り付け

説明書的には棟のカバーを取り付ける前には棟板というものを取り付けた方が良いようだが、僕はそれなしで棟カバーを取り付けることにした。それは、説明書的には角材にクラシックシートを葺いている分、棟カバーと屋根下地の間に大きな空間が空くが、僕の場合は野地板に直だから特に問題に感じなかったからだ。

棟カバーの重ねしろは上の図の通り12.5cm。

入母屋(いりもや)屋根の施工

今回の屋根工事に当たっての一番の難関は、この屋根の南側が入母屋造りになっていることだ。

北側はただ東西に勾配があるだけのシンプルな切妻屋根であるのに対して、南側は東西の勾配と南側への軒が一体化した入母屋造りになっている。

こんな高度な施工なんてできないと思っていたので、いっそのことシンプルな切妻屋根にしてしまおうかと考えていたが、それもそれで大掛かりな工事になってしまうこともあり、思案に思案を重ねた結果、どうにか入母屋のまま頑張れるような気もしてきたので行き当たりばったり挑戦することにした。

まずは形状に合わせてカットした波板を上の写真くらいの位置にまで取り付ける。

棟カバーを取り付ける。

カットしたクラシックシートをかぶせる。

これで雨の侵入は防げている。はず。

そして、棟までクラシックシートで覆って、棟カバーで頂点を閉じれば完成。いや、上の写真の状態で完成と呼ぶべきなのか怪しいが、棟カバーが飛び出している見た目も悪くないなと思い放置中。風で剥がれても困るので、少し短くするか、ひん曲げて破風板に打ち付けるべきか。でも飛び出ているのも捨てがたい。

何はともあれ紆余曲折ありながら、瓦を剥がし始めてからここまで3ヶ月弱。一人作業にしてはなかなか順調だったのではないだろうか。山陰地方特有の陰気臭い冬に阻まれて雨対策に多くの時間を割いたが、この冬は異常に雪が降らなかったので屋根工事的には非常に助かった。

しかしここにて問題発生。

オンデュリン施工の注意点

どういった問題が発生したかというと、すでにビスを打ってキャップを閉めていたものが、ゆるくなってしまっていたのだ。ビスがゆるくなったのではなく、キャップがゆるくなっていた。しかも一個や二個ではなく、軽く半分以上はゆるくなってしまっていた。

施工後の屋根材の上を歩いていたからかもしれない。いや、歩かないと作業ができなかったのだ。屋根材は風下から施工するのがセオリーだが、屋根へのアクセスが風下側からしかできなかったから、上を歩くしかなかった。建物の周囲に足場を組めれば良いのだろうが、僕は一箇所からハシゴで上がってきていたのだ。メーカーもクラシックシートは他の屋根材同様に上を歩くようには作られていないと書いているが、仕方がなかった。上を歩くとパキパキなっていたのは、ビスに取り付けた専用キャップとクラシックシートの隙間が開く音だったのかもしれない。

しかし、明らかに歩いていない部分のキャップもゆるくなっていた。

すると、野地板に直打ちしていることが問題だったのだろうか。古い材だし、瓦を固定していた釘の跡もたくさんあるから、保持力が弱かったのかもしれない。

しかし、野地板の下の垂木(角材)の部分に打ち込まれたビスのキャップもゆるくなっていたので、野地板が原因でもなさそうだ。

おそらく、隣接するビスを打ち込んだり、屋根材を重ねたりすることによって、クラシックシートが歪みを起こしてキャップとシートの間に隙間が空いてしまったのだろう。柔軟ゆえに融通がきく反面、このような問題も起きるのだろう。ビスを打ち込むとその部分の波がググッと低くなるくらいの柔軟性だ。これはガルバだったら起きない問題だろう。

あとは太陽によって熱されたことでシートがこなれて形状が変化したことも考えられる。クラシックシートはアスファルトを染み込ませた繊維でできているので、温まると柔らかくなるのだ。メーカーも気温が0度から40度の間での施工を推奨しているが、太陽光が燦々と降り注げば、いくら真冬といえども結構暑くなるものだ。その意味でも、オンデュリンの屋根材の上に乗って施工する必要がある場合は、寒い時期に工事をした方が良いと思われる。夏に上に乗っかったら凹んでしまうかもしれない。

さて、キャップが緩んでいると分かれば、どうにかしなくてはなるまい。ただでさえ屋根材の下には防水シートを敷いていないのだから、このまま見過ごすわけにはいかない。しかし、全部締め直しても、また経年とともに緩むなんてこともあるかもしれないと思うと、防水シートを敷いておけばよかったと後悔先に立たずな感じではある。

しかしメーカーはこうも言っている。

ONDULINE®の合成材料の弾力性により、素材が縮んで各釘(ネジ)周りに圧着し、水漏れ防止となります。

これを信じようではないか。

閉じたキャップを再び開ける

キャップはかなりしっかり閉まっているので、開けるのはなかなか一苦労だ。施工時に何度か失敗したときはヘラ状のインテリアバールでこじ開けたが、一度開けるとキャップの形状がゆがんでしまうので、新しいのに交換していた。

しかし今回は全部を開き直して、ビスを締め直そうと思っているので、新しいのに交換していたら費用もばかにならない。何かうまいこと開けられる道具を探していて見つけたのが、野菜などの収穫に使うハサミだ。

写真のようにキャップの隙間に挟み込んで、クイっとひねると許容範囲内に綺麗に空いてくれた。ビスを何本打ったかは忘れたが、少なくとも1000以上やり直しということになる。なんとも地道な作業だ。

これからオンデュリンを施工しようとしている人は、まずはキャップを閉めずに屋根材を全て固定し終わってから、最後にビスを締め直しつつキャップを閉めるようすることをお勧めする。

そんなこんなで、あとはキャップの点検が済めば終了だ。

一体、この屋根は何年良好な状態を保ってくれるのだろうか。強烈な台風で吹っ飛んだりすることもあろうし、あっけなく雨漏りするなんてこともあるかもしれない。まあ、その時はその時として、今を大事に生きようと思う。

文中に何度か登場した図は、以下のオンデュリン施工ガイドより抜粋させていただいた。

瓦屋根の葺き替えは以下もご参照あれ

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コメント

  1. eclair より:

    初コメ失礼致します!
    その後、屋根の調子はどうでしょうか?
    暴風時に雨漏り等起きませんか…?

    • ツバーン より:

      eclairさん

      台風クラスの暴風も経験しましたが、今のところ問題は起きていません。工事から半年もしないで雨漏りしたら今頃挫けてるでしょうね。。。現在は一階の軒の屋根のトタンでの張替えが終了したところです。内装もこれから着手するので、10年くらいは頑張ってもらいたいとは思っています。

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