DIY

古民家の土葺き瓦屋根の雨漏りを応急処置

僕が先月引っ越したばかりの古民家には入居の前からの雨漏りの痕跡が如実に残っていた。

縁側の床板は変色し、見上げると鴨居とその周囲の土壁には染みがついている。

台所の石膏ボードの天井は雨漏りによって一部が剥がれ落ち、床に散乱している。

だからそれなりの雨量があれば確実に雨漏りがあるだろうことは最初からわかっていたし、実際に雨が盛り出しても当然驚きもしなかった。

とは言うものの、2018年のこの夏は警報レベルの雨が続くこととなる。引っ越してからも隣町では避難指示が出るし、続く大雨では関空をストップさせた。

その間、我が家の雨漏りスポットからは大量の水が降り注ぎ、あっちからタライ、こっちからバケツ、そっちから皿を持ってきては滴り落ちる雨水を受けていくのに追われる事となった。

雨が連続して振り続けるうちに雨漏りの範囲は広くなっていった。天井の湿り気が徐々に範囲を広げていくのだから当たり前の話なのだが。

雨漏りは想像の範囲内でもあったし、むしろもっと酷い可能性も考えていたのだが、やはり実際の雨漏りを目撃すると木造家屋に与えるダメージの大きさを感じずにはいられなかった。

行く行くは屋根瓦を剥がして大規模に補修するつもりではあるのだが、兎にも角にも応急処置をしないことには家がどんどん傷んでしまう。

と言う事でブルーシートを張るために屋根の実寸を測ろうと屋根に登ってみた。巨大なブルーシートで屋根の棟から丸ごと覆ってしまおうと考えたのだ。

しかしその際についでに行なった応急処置がそれなりに上手く行ったので、急いでブルーシートを買いに行くことは一先ずストップすることにした。やった事といえばズレた瓦をはめ直したことと、残置されていた軽トラの幌を瓦に挟み込んだ事だ。

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屋根に登る

屋根の補修をするには当然ながら屋根の上に登らないと出来ない。高いところが苦手な人は諦めて業者に頼むことを考えるべきだろうが、案外登ってみると慣れてくるものでもある。

最初に登るときはそれはそれは怖かった。

屋根が抜けたらどうしよう、とか、
瓦が割れたり外れたりして一緒に滑り落ちはしないか、とか、
そもそも、それなりに高所だから怖い、とか。

結構瓦も滑るし、パッと見屋根の基礎にヒビが入っているところもある。足を載せたら明らかにヤバいと思えるところもあるので、今後の作業のためにもハーネスとロープについては考えないといけない。

幸運だったのは家の裏側の一部がトタン屋根になっていて、そこに載ってから瓦屋根に移れたことだ。表側の瓦屋根の端部は構造材から目に見えて波打っているので、とてもじゃないけどそこに載ってみようとは思えなかった。

高所作業に危険はつきものであるが、古い家に直し直し住んで行こうと思っているなら屋根作業が出来るか否かは大きなポイントになるだろう。なにせ屋根がしっかりしていなければ家はあっという間にダメになって行く。まあ、専門業者に頼めばそんな心配は全て吹き飛んでしまうものだが。

因みに瓦は凸部を踏んでしまうと割れてしまうので、常に凹部である谷に乗るように心がける必要がある。

瓦のズレを直す

さて、無事屋根に登って瓦の様子を観察していると、瓦の噛み合わせが悪くなっているところが散見される。

この屋根は土葺きの瓦屋根だ

現在の屋根が【野地板→防水シート→屋根材】なら
土葺きの瓦屋根は【野地板→杉皮→土→瓦】となる。

土壁のようにワラスサと練り合わせたもので瓦を糊付けしている工法だ。

因みに現在の瓦屋根は【野地板→防水シート→瓦桟(かわらざん)→瓦】となっていて、瓦桟に瓦がひっかけられるようになっている。

土葺きの瓦屋根では関東大震災の時に瓦が次々と落下してしまったので、瓦を引っ掛けて固定できる構造が関東では主流になった。関西では阪神・淡路大震災以降までその遷移が待たれる事となる。

しかしここ山陰地方の中山間エリアのような場所には今だに土葺きの屋根が残っているのだ。

瓦が瓦桟に引っかかっていないと言うことは、下地の土や杉皮が劣化していけば瓦がズレる。逆に言うとズレると言うことはその場所にはめ直す事もそんなに難しいことではないはずだ。

そう思って、周りの瓦を持ち上げては、ズレた瓦を少しづつ元の位置にねじ込んだり、足で蹴っ飛ばしたりして見た。

一枚目がビフォー。二枚目がアフター。真ん中左の瓦のズレを修正した。この場所は台所で強烈な雨漏りを引き起こしていた場所と一致する。

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ちょっとづつズレた瓦を修正しながら今度は縁側の一番雨漏りがひどいところの辺りに行ってみる。

案の定瓦が大きくズレていたので同じように瓦を所定の位置に戻した。

ここは特に雨漏りがひどいところだったので、納屋に転がっていた軽トラの幌を使ってさらなる応急処置をすることにした。

何しろこの屋根の下はこんな風になってしまっている。

屋根に防水シートを張る

雨は上から下に流れる。

だからシートを張る場合は屋根の頂点である棟から被さるような大きなものでないといけないと思い込んでいた。

しかし、瓦のズレを直していると瓦は案外動くことがわかる。これならシートを隙間にねじ込む事ができるのではと考えた。

そこで納屋で発見していた軽トラの幌と針金を持って屋根へ。

そして雨漏りの一番ひどいところを大きく覆うような場所を決めて、幌の端を瓦の下にねじ込んでみる。力はいるが、ラジオペンチなどを使って少しづつ挟み込んでいく。

こうしてねじ込んで。

完成。

そして幌の端から針金を使って四方にピンと張って固定。針金でなく紐で自在結びや自在金具を使って張った方が良かったような気もしたが取り敢えずは作業終了。

幌に会社名が印字されてあったので一応隠す。

次の大雨が楽しみだと思っていたら、1日2日で次の大雨がやってきた。

応急処置は大成功

応急処置後の大雨となったその日は買い出しのために街へ出ていた。傘があってもビショ濡れになってしまうような土砂降りの雨だ。

応急処置の効果に期待していつつも、やはり不安はあった。しかも雨漏り箇所にバケツなどを設置することなく出てきてしまったので、家に帰ったら大惨事になっている事も想定された。

しかし、帰ってみると何も起きていない。

大成功だった。

瓦のズレを直し、幌を張った縁側の酷いところはもちろん、台所上部の瓦のズレを直しただけのところも一切漏らなくなった。むしろ他の箇所が少し漏ってきたのでそちらをどうにかしないといけない(笑)

屋根工事といったらいかにも専門業者でないと出来なそうに聞こえるが、素人仕事でもここまで上手くいくものかと言うのは個人的にも自信になった。何しろこの家は直さないといけないところが山ほどあるからだ。

この家も元々は前の持ち主の先代によって建てられたものであろう。すなわちプロの手によるものではない。だったらプロでない僕でもそれなりに補修ができて当たり前だし、その能力をつけないといけない。。むしろそれが日本の古民家の良さであるはずだ。

前の住人も風呂場のマットみたいなもので瓦の応急処置をしている。単純だがこれは参考になる。

それにしても雨漏りが解消するだけで、今後のことを落ち着いて考えられるようになったのは嬉しい。数日前まではすぐにでも屋根を剥がさないといけないのではと思っていたからだ。

やること山積なので、ゆっくりぼちぼち環境の改善に努めて行こうと思う。

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百姓2.0/自給リスト(自足に限らず);野菜、米、塩、味噌、建築、トイレ、経済、国家、獣肉(拾い物)、書籍、映像、音楽 etc /自著『旅をふりかえる旅』https://amzn.to/2Wb1mNs、『下らない生き方』https://amzn.to/2ZEjgKf /
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