
Macを白黒反転モードにした際のイメージ。表示している文章は青空文庫より宮沢賢治の『雨ニモマケズ』
夜や照明の暗い場所でスマホを利用している人を見るといつもビクッとします。それはその人の顔が青白い光に照らされて怪しく光っているから。
そのたびに「これがブルーライトか」と感心するわけです。
諸説あるもののブルーライトは疲れ目など人体へ悪影響があると警鐘を鳴らされていますが、そもそもこんなに近距離で強い光を凝視すること自体が人体に影響(良くも悪くも)が無いとは思えません。
それがブルーライトなのか、ただの光なのか、はたまた電子機器が発する電磁波全般なのか、パソコンやスマホを使うときの姿勢なのか、そしてその同じ姿勢を続けるからなのか、、、
いずれにしても、少し前まで朝起きてから寝るまでパソコン漬けの生活をしていた経験上、パソコンやスマホ作業を長時間続けると、目も体も重くなってどっと疲れます。それは皆さんも感じることではないでしょうか?
ここでは電子機器が発する光に焦点をあて、それによって引き起こされる恐れのある自律神経の乱れやサーカディアンリズムの狂い、そしてその改善策の一つとしてiPhone、iPad、Macを使用する際に僕が利用している、画面の白黒反転の方法とショートカットについてご紹介します。
個人的な体感としても、執筆する際や、長文を読んでいる時の体への負担が小さくなるような気がしています。
Sponsered Link
目次
自律神経の乱れ
紙の書籍を長時間読むということは、対象物に近距離で視点を固定しているということになりますが、その状態が継続されるとピント調整機能を司る目の周りの毛様体筋の緊張が続き、目は疲労することになります。これは近視の原因にもなりますが、それでもパソコンやスマホを見続ける疲れよりは大分マシであると思います(主観)。
やはり光の影響は無視できません。パソコン、スマホで表示されている文字はただの文字ではなく、発光した文字ということになります。
毛様体筋の緊張と自律神経
毛様体筋の緊張は交感神経の働きを促進し、その状態が長時間続くと自律神経の乱れを引きを越す恐れがあります。
交感神経は副腎髄質でアドレナリンの分泌を促し、体を活動モードにします。言い方を変えれば昼のモード。
一方の副交感神経は瞳孔を縮小し、心臓の動きを抑制、反対に消化器系や泌尿器系を促進することで体を回復モードにします。こちらは夜のモードと言えますね。
交感神経と副交感神経は拮抗作用を示しますので、交感神経が優位の状態がつづくといつまでたっても回復モードの副交感神経の出番になりません。
電子機器の光と自律神経
パソコンやスマホの強い光は交感神経の働きを優位にします。
したがって昼に夜にパソコンやスマホの光を目に当て続けると、交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、自律神経が乱れてしまいかねないのです。
自律神経の乱れが深刻となると自律神経失調症や、神経性胃炎、過敏性腸症候群を患ってしまう恐れがあります。
ブルーライトの影響
ブルーライトは可視光線の中で最も波長が短く、かつエネルギーの大きい光と言われており、パソコンや液晶テレビはもちろんですが、スマホやタブレットに特に使われている光です。ちなみにブラウン管テレビにもブルーライトは含まれていますが、そんなに多くありません。
ブルーライトはその波長の短さゆえに散乱しやすく、眩しさやチラつきを引き起こす原因となると言われております。その為、ピントを合わせるのが難しく、またしてもピント機能としての毛様体筋が疲労することとなります。
参照:ブルーライト研究会
サーカディアンリズムの狂い
サーカディアンリズム=体内時計
サーカディアンリズム(概日リズム)とは約24時間周期で人間の体内に流れるいわゆる「体内時計」です。
このサーカディアンリズムは食事や睡眠によって日々修正されています。日の出とともに目覚めて活動を開始し、日没して暗くなると翌日に控えて体を休めるという、人間の進化の過程で備わってきた野性のリズムと言えます。
サーカディアンリズムの観点で見れば、日中のパソコンはさほど大きな問題ではなく、特にブルーライトのような朝の光に近い色は体をシャキッと目覚めさせることにもなります。
(だからと言って、自然光以外の光を無理やり浴びる必要もないと思いますが。朝は朝日を浴びてシャキッと起きれば良いし、曇りの日はダルいこともありますが、それはそれで、体を休ませるタイミングでもありますから)
しかし、その「朝の光」はもちろん、強い光を一日中、暗くなってまでも凝視していたら、それが自然な行為ではないのは火を見るよりも明らかで、体はいつまでたっても昼だと判断してしまいます。
またしてもそれは交感神経を活性化させ、体に休ませるチャンスをあたえません。
サーカディアンリズムとメラトニン
メラトニンとは松果体より生成されるホルモンで、脈拍、体温、血圧などを低下させることで、睡眠を促します。
メラトニン分泌量は、網膜への日中の強い光によって減少し、夜になると上昇することでサーカディアンリズムを正常に保つ役割がありますが、夜間にパソコンやスマホの光に照らされることで、メラトニンの分泌が抑制されてしまいます。
その結果は睡眠の質の低下へ繋がり、深刻になると睡眠障害へと繋がってしまう可能性も潜んでいるわけです。
ブルーライトとメラトニン
ハーバード大学の研究によると、青い光と緑の光それぞれの環境下に6.5時間さらされると、青い光の下では緑の光に比べてメラトニン分泌量が半分となり、サーカディアンリズムの狂いも倍になったそうです。
メラトニンの減少は夜間の睡眠を妨げるだけではなく、癌との関係性も指摘されており、サーカディアンリズムが狂うことで癌に加え、糖尿病、心臓病、肥満などを発症する可能性があることも分かってきています。
参考:Blue light has a dark side(Harvard Health Publishing)
iPhone、iPad、Macの画面を瞬時に白黒反転させる
元々は視力の悪い人や色覚の悪い人のための補助機能として搭載された白黒反転モードですが、僕はこの機能を使うようになってから、長時間のパソコンやスマホの作業でも目の疲労が軽減されたように思います。
黒い画面にすると明らかに発光量が減ります。白い画面はもはや懐中電灯モードの代わりになるくらい明るいですが、黒い画面では流石に無理があります。
尚、ブルーライト研究会によるとモニターの黒色にはほとんどブルーライトが含まれていないとのことで、これも安心材料の一つです。(日経トレンディネットの記事を参照)
iPhone、iPadの画面を白黒反転
1.設定を選択
Sponsered Link
2.一般を選択
3.アクセシビリティを選択
4.ディスプレイ調整を選択
5.色を反転を選択
6.反転を選択
反転にはクラシックとスマートとがあります。
クラシックはただの反転。
スマートを選択するとSNSなどのアプリを表示する際、画像などのみ反転しないようにできます。
ショートカットの設定(iPhone、iPad)
1.上記の3のアクセシビリティを選択
2.一番下までスクロールしてショートカットを選択
3.ショートカットを追加
僕は以下の4つを設定しています。
・カラーフィルタ
・ホワイトポイントを下げる
・色の反転(クラシック)
・色の反転(スマート)
4.ホームボタンをトリプルクリック
以下のようにポップアップが表示され、いつでも白黒反転できるようになります。
メールなどのシンプルなアプリでは白黒反転させてもリンクなどに多少の色がついているのみですが、ウェブニュースやブログ記事なんかを読むときは白黒反転させることで青い光が目立つ色もあるので、そんな時はカラーフィルタも追加してモノクロ表示にしています。
macの画面を白黒反転
1.システム環境設定からアクセシビリティを選択
2.ディスプレイを選択
3.カラーを反転をクリック
その下のグレイスケールを使用をチェックすればモノクロにすることも可能です。
ショートカットの設定(mac)
1.上記2のアクセシビリティより一般を選択。「ディスプレイのカラーを反転」が選択されていることを確認する。
2.「option + command + F5」を押すと以下の画面が表示される
3.ディスプレイのカラー反転をクリック
まとめ
パソコンやスマホのライトはもちろん、室内でも野外でも僕たちは太陽(及び炎)が発する以外の光をふんだんに浴びて生活しており、それらと無縁で生きていくことは難しい時代を生きています。都心部に住む人はなおさら。
かと言って、パソコン、スマホから完全に離れられる人は少ないでしょうし、LED照明は青白くて突き刺さるような光を出すものの、長い寿命やエコ性能は無視できません。
それでも僕たちの体は僕たちが思っている以上に野性のリズムに則って機能していますし、自分の体は自分で守っていかなければなりません。
パソコン、スマホなしでは生きていくのは難しいこの時代だからこそ、そんな世界をサバイブするための一つの知恵として、皆さんも白黒反転を活用してみてはいかがでしょうか?
Sponsered Link
コメント