【あるもんで建築】9.梁(はり)と桁(けた)を渡す 〜コンポストトイレを小屋から持続可能な方法で作る

柱が出来れば次は梁だ。ついに木材を頭上で繋いでいく作業に入っていく。

直線と直角を主として構成された通常の建築物と違って、この小屋はありとあらゆる箇所が歪んでいる。しかもその歪みはこれまの度重なる現物あわせ作業により余計に複雑さを増している現状もある。

したがってこれからの作業も引き続き現物合わせが続くことになる。

この点において非常によかったことは、柱の高さが、地上からその上部にアクセスできるギリギリであると言うことだ。基本的にはトイレ小屋の最低限の快適性だけに焦点を当てて設定した高さなのでまさに偶然。

特に一人で作業している僕に取って、脚立を使わずにできる作業が一つでも多いだけで何かと楽なのだ。これは完成後のメンテナンスの際にも助かることになるのではと思う。

前置きはこれ位にして実作業の説明に入っていきたいところだが、そもそも梁と桁とはなんなのだろうか。

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梁(はり)と桁(けた)の定義

木造建築の構造のなんたるかも知らずに建物を作っているので、もちろんその用語の意味や役割もインターネットで調べながら作業している。まさに素人仕事なのである。

wikipediaの桁のページを見てみると

桁(けた)は建造物において柱間に架ける水平部材。短辺方向に渡された横架材を「」といい、その直交方向(長辺)に渡される部材を桁という。

と、記載されている一方で

木造建築においては小屋梁と交差して、垂木を受けて軒と水平方向に架けられた部材をいう。

とある。

この説明をまとめるとこうなる

・梁と桁は共に水平部材
・梁は短辺方向、桁は長辺方向
・桁は垂木(たるき)を受けて軒と水平になる

しかし建設中の小屋は短辺方向の水平部材に垂木が乗ることとなる。垂木とは屋根材の骨組みとなる材のことだ。

したがってこの小屋では長辺方向の水平部材を梁と呼び、短辺方向のものを桁と呼ぶことにする。そしてその桁に垂木を乗せる。

梁のホゾを作る

柱と梁を結ぶのは最も単純なホゾだ。すでに柱の上部にホゾが出来ているので、梁となる材にそこに接ぎ合わさるホゾ穴を開ける必要がある。

二本の松の丸太を梁とする。写真は皮を剥く前。

問題はホゾ穴の位置をどのように梁材に墨付けするかだ。何しろ梁が乗っかる二本の柱のホゾはシンプルなマイナスドライバー型ながら、正確な平行になっているわけではない。柱の下部のホゾ接ぎから柱の形状まで歪みがあるし、角材と違って丸太は任意の正面を求めるのも難しい。

もちろん僕のような素人に限った話かもしれないが。だから現物合わせで乗り切るほかないのだ。この建築では定規の出番があまり多くない。

そこで考え巡らせて思いついたのが、まずはホゾ穴の雛形を作ることだ。

まずは廃材の板を柱の上部に乗せて、下からなぞってホゾのサイズを墨付けする。

そして実際にホゾ穴を開けて柱とちゃんと接ぎ合わせることができるか確認した後に、松の梁材に移しとる。と思ったら、梁が湾曲しているのでうまく移せない。なんて当たり前の話なのだろう。

とにかくは片方のみ写し取ってみてホゾ穴を空ける。雛形のお陰でホゾ穴から梁材の両端までの長さを合わせることができた。

そしてそれなりにホゾ穴が空いたところで試しに柱と合わせてみる。これでもう一方のホゾ穴の墨付けをすることができる。現物合わせ最強。知識は知恵と行動力で補うことができる。

そして幾度となるやり直しを経てついに綺麗に接ぎ合わせることができた。

前述した通り柱の上部にギリギリ届くので、度重なる梁の上げ下ろしに脚立を使わなくていいのは非常に作業性がよかった。未乾燥の重たい松を背伸びしながら持ち上げるものだから時々グラついて危なっかしい場面はあったのだけれども。

脚立に乗った方が安全だったのか、果たしてそうではなかったのかはわからない。

もう一方の梁材は一本目より一層湾曲しているので、未加工の状態から柱のホゾの上に無理やり乗っけてみて墨付けしてみた。これが危なっかしい作業であることはいうまでもない。本当にギリギリ届く高さなのだ。もちろん真似しない方が良い方法だ。つま先と腕がプルプルした。当然写真は撮れない。

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ホゾ穴を削り始めた後はそれが未完成であったとしても摩擦でホゾに乗っかりやすくなるので、一本目同様に微調整と現物あわせをひたすらに繰り返す。そして完成。

ぐにゃっと曲がっていて見た目のインパクトもなかなかのもの。しかし建物の左右非対称さが増したので、目視での水平が取りづらくなってしまった。ような気がしている。なんだか目の錯覚で傾いているようにな気がしなくもない。写真も傾いているだろうし、実際にも傾いているのだろうし・・・

桁を乗せる

梁を渡しただけではまだまだ当然グラグラする。当然だ。これではまだ柱の上部が4点で結ばれていない。

この次は梁の上に二本の桁を乗せる作業だ。これである程度安定感が出ることを期待したい。

まずは桁の長さを決めるために梁の上の丸太を乗せてみる。これは拾ってきた栗の木だ。

上下のバランスと見た目的に良さそうなところに印をつけてそこに麻ヒモを巻いた。これで丸太を地上に下ろしても切断面を見失うことがなくなり、自信を持ってノコギリを入れることができる。これは柱のカットの時に学んだ方法だ。

カットが済んだら再び梁の上に乗せてみて現物あわせにて墨付けをする。いよいよここから脚立使用率が増えてくることになる。

二本の梁の上に桁を乗せる。写真は上方から。
丸太を接ぎ合わせる位置に乗せてなぞるように墨付け
墨付け完了

ここで採用するホゾ接ぎは「渡り顎」と呼ばれる方法で、上に乗せる桁が梁に噛み付いているような状態となる。微調整を繰り返した末に以下の写真のように削り出すことができた。

桁に関しては微調整しては乗せて、下ろしては微調整してという作業であったが、梁上部のホゾの作成は、梁を柱の上に渡したまま、脚立の上に乗って作業することにした。何しろ地面におろした状態で水平にホゾを削り出せる自信がなかったからだ。湾曲した梁を固定する設備がない。柱の上の梁もグラグラするが削るには問題ない範疇だった。

脚立の上だと立ち位置に制限があるからノミの使い方には苦労したが、やればなんとかなるものだ。むしろ技術が向上するなど、思いもよらない収穫もあった。あんな姿勢やこんな姿勢でノミとハンマーをふるった。

これをコロッと180度回転させてはめてやると、噛みつくように接ぎ合わさる。

後方の桁を切り過ぎた

さて、もう一本の桁の作成に入り同様の作業を踏んでいたところ、自分が間違いを犯したことに気がついた。

建物前方となる一本目の桁と同じ長さに切ってしまったのだ。

その何がいけないのかと言うと、前方の桁にはさらに棟木を乗せて高くする予定だ。そうすることで後方に傾斜する屋根を作るのだが、屋根は土台より張り出して軒先を作らなければならないと言うことに気づいたのだ。そうすることで土台の雨濡れを軽減することができる。この建物は土台が張り出しているのだ。

したがって棟木は一本目の桁よりも長くする必要がある。

そして、建物後方の桁は、その棟木とともに屋根を支えることになるので、棟木と同様の長さにする必要があったのだ。

そして問題はもう一つ。これで骨組みにしようと確保していた木材が足りなくなってしまった。特に本数を数えることもなく丸太を調達して、なんとなく足りてきていたのだが、ここにきて歯車が少し狂ってしまった。

まあ、どっちにしろ屋根や壁となる素材はこれから調達しなければならないのだが。

と、言うわけで、次回は気を取り直して後方の桁に取り掛かる前に、棟木の作成に入りたいと思う。

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百姓2.0/自給リスト(自足に限らず);野菜、米、塩、味噌、建築、トイレ、経済、国家、獣肉(拾い物)、書籍、映像、音楽 etc /自著『旅をふりかえる旅』https://amzn.to/2Wb1mNs、『下らない生き方』https://amzn.to/2ZEjgKf /
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