【あるもんで建築】13.焼杉板を自作して屋根材にしてみる 〜コンポストトイレを小屋から持続可能な方法で作る

小屋の建設を決めてからずっと悩んできたことの一つが屋根を何で葺くかである。

既に「あるもので」どうにかすることを優先したい一方、雨対策がうまくいかなければ小屋はあっという間に朽ちていってしまうかもしれない。

廃トタンでもあれば簡単だろうにとも考えたが、そううまく手に入らなかった。それに、これまで伝統建築っぽいことをしてきたのにトタンかあ、というのもあった。

また、空き缶を潰して瓦のようにすることも考えたが、なんだかヒッピーっぽい見た目になるような気がして敬遠した。集落からよく見える丘の上なので、周辺環境に寄り添うような外観を目指している。

竹の屋根も検討した、が、竹は耐用年数が短い。

瓦を葺く自信はないし、瓦もない。

そこで考えたのが木製の屋根だ。ネットで木の屋根の写真を探してみると、数は少ないが挑戦している人はいるようだ。

木をそのまま屋根に葺いたら寿命はそんなに長くもないだろう。しかし焼杉にすれば屋根材として少しは耐えれるのではないかと思いついたのだ。

最初にもらった廃材の板は割れ目がたくさん入っており流石に屋根に使うのは難しいので、どうしようかと思っていたところ、またまた近隣の建築会社の方が廃材を持ってきてくれた。

今回のものは厚みのある杉板だ。割れてる箇所もほどんどない。実は木の屋根にするのはギリギリまで迷っていたのだが、この板をもらった瞬間にビビっときた。これは何かの縁だから、この板で屋根を葺いてみようと。こんな板はなかなか出ないぞ。

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焼杉が屋根になるのか?

焼杉は文字通り表面を焼いた杉板のことだ。

東日本には伝わっていないらしいのだが、西日本においては時々焼杉を外壁とした古民家を見ることができる。

この掘っ立て小屋の基礎丸太でもそうしたように、表面を炭化させることで防虫防腐効果を施すことができ、耐久性を向上させることができるのだ。

瀬戸内海を始め、海沿いに焼杉の家が多く見られることから、湿度に強いということが良くわかる。

とは言え、外壁として使用されているものをそのまま屋根に使えるとは限らない。それに、現代の屋根のように下地に防水のルーフィングをするつもりもないので何かと条件は厳しいのかもしれない。昔のやり方なら杉の皮か。

しかし、木で屋根を葺くことができたら、小屋づくりが身近になるのではないかとも思う。上手くいけば廃木材だけで小屋を作ることができるなんて素晴らしいじゃないか。

昨今はログハウスのような木を前面に押し出した建築においても、屋根はガルバリウムだったりスレートだったりするので、少し物足りないような気がしなくもない。

木の屋根はいかにも耐久性がなさそうなのだが、メンテナンスをしなければガルバリウムだって20〜30年、トタンは10〜15年くらいと言われているから(コメリのホームページによるとガルバリウムは7〜10年、トタンは5〜7年と厳しい)、マイホームを手に入れたって何もしないで死ぬまでそこに住み続けられるわけではない。

家はそもそも補修をしながら住むものだ。だったら仮に木の屋根の耐用年数が短くたって、メンテナンスを怠らなければ良いのではないだろうか。それに木は何かと取り扱いが楽だ。

とは言っても木の屋根でどこまで風雨をしのげるかは、実際にやってみないとわからない。何しろあまり前例がない。ならばその少ない前例の一つになってみよう。そうすれば少なからずこれから小屋作りを考えている人の参考にもなるはずだ。

失敗談含めてその後の経過も記事にしていこう。これは実験であり勉強だ。専門家の目から見ればもしかしたら失敗は明らかなのかもしれないけれども。

焼杉を作る

まずは3枚の杉板を合わせて三角柱になるように縛り上げる。

上から見るとこう。

上、中、下の三箇所を麻紐で縛ったが、少し沿っている事もあり板が完全に固定されるほどきつく締めるのは難しい。本当は板と紐の間にクサビを入れてさらに締めた方が良いのだろうが、このままいくことにした。

あとはこの煙突と化した杉板の中に火柱を通すだけである。それにあたって2つの方法を試したが、1つ目は見事に失敗し、2つ目の方法でうまく焼杉にすることができた。

参考までにまずは失敗した方法から紹介したい。

焚き火の上に柱を立てる

小屋の真ん中に簡易のカマドを作ってそこで焚き火をし、その上に杉の柱を立ててみた。

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目論見としては、薪ストーブの煙突さながら、上昇気流に乗って吸い上げられた火柱が、杉の柱の中を突き抜けるかと思ったのだが、全くうまくいかない。それどころか板の端っこを無駄に焦がしてしまった。

火力が超強力ならうまくいくかもしれないが。

古紙を詰めて火をつける

この二つ目の方法は間違いなく成功するだろうとは思っていたのだが、古紙だって貴重な資源なので、焚き火でどうにかならないかと挑戦したのが一つ目の方法だったのだ。

しかし、考えて見ればちょうど処分しなければならない個人情報の入った書類があったのでこいつに火をつけることにした。なんと一石二鳥ではないか。

丸めた古紙を上から下までしっかり詰めて下から点火。

最初は結構燻る。

次第に空気が通るようにって煙が少なくなってきたと思ったら、

隙間から火が吹き出した。

最後には上から火柱が吹き上がる。

少したったら上下をひっくり返す。火柱が上がってから15〜20秒くらいだっただろうか。時間を図る余裕もないくらいの火柱なので正確には分からず終い。最初は結構テンパる。

ひっくり返す瞬間は少し緊張するが、柱が地面と平行になれば火の勢いは収まるので心配いらない。もちろん手袋はつけたほうがいい。

出来上がりはこんな感じ。

ムラがあるものとないものと。綺麗に全体を黒くするのはなかなか難しかった。

黒くなっていない部分は焚き火の炎で焦がしてやろうと思ったが、そのくらいの火力ではなかなか焦げない。いかに煙突による上昇気流が生み出した火力が強大かがわかる。ので、まあこれでいいやということにした。

焼杉作りのポイント

火力が強く、一旦火をつけるとなかなか修正が効かないので、綺麗な焼杉を作るために気づいたポイントを列挙してみる。

・火柱が上がってしばらくしたら上下をひっくり返す。それを怠ると全面を均一に焼くことができない。下の写真のように、半分だけよく焼けてしまったりする。

・杉板で三角柱を作るときに、板がずれていたりすると炎があたらなくなり、焦げ目がつかない。

・紙を詰めすぎると火柱がなかなか貫通せず、着火した側ばかりが焼けてしまう。

・詰める紙が少なすぎると、上昇気流に乗って紙が上から飛び出してしまい、燃焼時間を稼げないまま鎮火してしまう。

・炭化層は分厚いほうが良いのだろうが、焼き過ぎると焦げ目の隙間から白木がのぞいてしまったりする。下の写真だったら白いほうでなく、黒いほうくらいの焼き加減が個人的には良かったように思う。しかし火を扱うのは難しい。

とにかくこれで屋根材の準備ができたので、次回は屋根を葺こう。

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百姓2.0/自給リスト(自足に限らず);野菜、米、塩、味噌、建築、トイレ、経済、国家、獣肉(拾い物)、書籍、映像、音楽 etc /自著『旅をふりかえる旅』https://amzn.to/2Wb1mNs、『下らない生き方』https://amzn.to/2ZEjgKf /
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