【あるもんで建築】12.垂木、面戸板、野地板を取り付ける 〜コンポストトイレを小屋から持続可能な方法で作る

今回紹介する作業は、垂木(たるき)、面戸板(めんどいた)、野地板(のじいた)で構成される、屋根の下地作りだ。

実はこの行程は僕にとって最も感慨深いものの一つである。

小屋を作ると決めてそのイメージの構築にあたっている時、僕が眺めていたのは決まって現在間借りしている納屋の天井だったからだ。

天井というより、正確には屋根裏だ。その納屋は吹き抜けの平屋作りで骨組みがむき出しとなっているため、見渡しているだけで木造建築の基礎を学ぶことができる。

当然屋根裏もむき出しなので、見上げると垂木と野地板がどのように取り付けられているかがよくわかるのだ。

柱や梁、壁なんかは直角で構成されているので何かと作業のイメージがつきやすいが、屋根は斜めだ。どう考えても難しそうじゃないか。きっとその不安を払拭すべく天井裏を眺めていたのだと思う。

さて、ちょっとした回想はこのくらいにして、作業の説明に入っていこう。垂木、面戸板、野地板と言われてもわからない人は多いだろうが、本文の流れに合わせて説明することにしよう。

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棟木と桁を屋根勾配に合わせて加工する

早速、垂木を取り付けたいところなのだが、その前に垂木を乗せることとなる棟木と桁を加工しなくてはならない。

棟木と桁は丸太だ。そこに角材である垂木を乗せたらあまりにも接地面が少ないので、屋根勾配に合わせて棟木と桁を斜めに加工することにした。

とりあえず加工前の状態で垂木を乗せてiphoneの水平器で測ってみると17度だった。

急な勾配にするつもりが、屋根としてはちっとも急じゃない。見た目的にはこれ以上の勾配は不自然なのでそれで良いのだが。

一先ずは取り付ける垂木の位置を決め、その部分だけに欠込みを入れて早速垂木を取り付けようと思ったのだが、これでは面戸板の取り付けが厄介なので、この欠込みを全て繋げることにした。面戸板の説明は後ほど。

ここにきてカンナが登場。

しかし大半の作業はハンマーとノミを使って仕上げた。僕にはノミが性に合っているようだ。ノミを使っていると、いつか仏像でも掘ってみようかと思ってしまう。ノミは禅だ。そして出来上がり。

先ほども地面でカンナをかけている写真を乗せたが、実際の作業の大半は桁を梁の上に乗せた状態で、脚立に跨りながら行なっている。小屋に取り付けた状態で17度の勾配となるように加工することを考えると、僕にはその方法しか思いつかなかった。

棟木の方も同様の加工をしてこれで垂木をのせる準備ができたことになる。棟木は小屋に取り付けた状態だと流石に手が届かないので、取り外して作業した。角度は合うだろうか。

 

試しに垂木を乗せてみる。ピッタリだ。これで良いだろう。

垂木(たるき)を取り付ける

上に記した作業が完了してから垂木の取り付けに移るまで、実に10日以上の時間を空けてしまった。ちょうど自然農の田植え(手植え)が忙しく小屋作りのプライオリティが下がっていたのだ。

その間にここ広島も梅雨入りし、前回の記事に書いたような、カビ問題にも頭を悩ませることになった。

【あるもんで建築】11.小屋の一部がカビたので煙で燻してみる 〜コンポストトイレを小屋から持続可能な方法で作る

さらには6月末に10日ほど出かけなくてはならないということもあり、梅雨に屋根なしで小屋を放置するわけにはいかないと思い、ここから怒涛の工事が始めることになる。

垂木の取り付けから、屋根を葺くまでに要した時間は1日半。なんとか留守をするまでに間に合わせることができた。初めての作業なのにここまでスムーズにできたのは、黙々と田植えをしながらも、頭の中では屋根取り付けのシュミレーションを行ってきたからに他ならない。

垂木を取り付ける間隔

垂木を取り付けるにあたっての一般的な間隔は、スレートなどの軽い屋根材の場合、45.5 cmで、瓦葺きの場合は30.3 cmなのだそうだ。

この小屋の屋根は木製のつもりなので、垂木の間隔は広くて良いのだろうが、いかんせん屋根自体が小さく、45.5cm間隔だとあまりにも垂木が少なく心もとないので、少し多めに付けることにした。

張り出した梁に当たらないように配慮しながら垂木の位置決めをした結果、7本の垂木を以下のような間隔で取り付けることにした。

端から、19cm、17cm、25cm、25cm、17cm、19cm

感覚と見た目です。それ以上でも以下でもありません。

垂木を釘で止める

今までも仮止めなどの理由で使ってきたが、ずっと残り続けるものとしてこの小屋に釘を打つのは初めてだ。

ワイルドで古典的な方法としては、ロープやつるで縛って固定することもできるのだろうが、その後の作業に支障をきたすことになろう。何しろロープで固定したら出っ張るじゃないか。

釘は、木の繊維に直角の場合、打ち付ける材木、この場合は垂木の2〜2.5倍の長さが必要になる。

今回使う垂木は5cm強だ。強、というのは、残念ながら手持ちの角材はどれも厚さが微妙に異なるのだ。まあ、微妙な誤差なので、5cmと思って作業を進めることにする。

すると釘の長さは10cmは必要ということになるのだが、10cmの釘ともなると打ち込むのがこれほど難しくなるものだろうか。きっと垂木が硬いというのもあるのだが、記念すべきこの小屋一本目の釘はものの見事に曲がってしまい、使い物にならなくなってしまった。

垂木を地面に置いて、まずは釘を貫通させるところまで持って行ってから、桁と棟木に打ち付けるという手順なのだが、フラットな地面の上ですら釘をまっすぐ打ち込むことがろくに出来ないではないか。

ヘビーなハンマーで思いっきり叩きつけないと釘が入っていかないくらい硬さなので、ハンマーが少しズレるだけで取り返しがつかなくなってしまう。

次の釘でうまく行ったが、三本目の釘はまたしても失敗してしまった。

これでは成功率が低すぎるので試しに9cmの釘を使ってみたところ、その後は一本も曲げることなく打ち付けることができた。1cmの差がこんなにも大きいとは。

推奨される釘の長さよりも短いが、まあ良いだろう。10cmの釘を使っていたらきっと半分は曲げてしまっていただろうから。

垂木の取り付けは、小屋の中心に脚立を置いて、端から中心に向かって行った。

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そしてなんとか全ての垂木を取り付けることに成功。

しかし取り付け位置が残念なくらいバラバラになってしまった。下から仰ぎ見るとよくわかる。

棟木と桁が微妙に先細りした丸太なので正確な取り付け位置を割り出すことができなかったのだ。なので、とりあえずはそれっぽく取り付けて、あとで修正することにする。

ちなみに野地板を一枚取り付けて見ると、こんなにもズレていた。垂木は全て同じ長さに切断したのに。

面戸板(めんどいた)を取り付ける

面戸板とは、桁と棟木の上に取り付けた垂木と垂木の隙間を埋める役目を持つパーツだ。下の写真のノコギリの真上にあるのがそれである。

面戸板を取り付けずに屋根を葺いてしまうと、その部分が隙間となってしまうのだ。

そもそもトイレ小屋に隙間があってはいけないのかと問われれば、「確かにいけないことはない」とも思うし、結局は壁の一部を解放した小屋にするかもしれない。

それでもこの面戸板を取り付けることにしたのは、仮に小屋を密閉することにした場合、屋根を葺いたあとでは修正が難しいからだ。

トイレ使用中に蚊に襲われると不快なので今のところは密閉するつもりであるし。

ちなみに面戸板の名の由来はその取り付けが「面倒」だからだと聞いたが、確かに面倒である。この小屋は垂木の間隔がそれぞれ違うし、あらゆるところが歪んでいる。

とにかく一つ一つ現物で採寸しては少し長めにカットし、ハンマーで叩き込んではめ込んだ。通常は釘を使うものだろうが、無くてもなんとかなるだろうと思ったので。

桁側の面戸板
棟木側の面戸板

時々、長めに切ったつもりが、少し短くなって緩くなってしまった面戸板は釘を使って打ち付けることにした。木材がもったいないのか、釘がもったいないのか、それとも折角使った作業時間をもったいないと思ったのか。

またひとつ問いが増えた。

野地板(のじいた)を取り付ける

次は屋根の下地となる野地板を取り付けだ。

昨今は野地板といったらコンパネサイズの野地板合板を使うのだろうが、そもそも手持ちの廃材に合板はないし、接着剤を使って作られた合板は、限りなく使いたくない素材の一つである。いらなくなっても燃やしたら酷い匂いがするので薪にもしたくないし。

さて、古民家の屋根裏なんかを見ると、野地板には隙間がある。僕が間借りしている納屋もそうだ。これは現在の家の作りからしたら考えられないのだろう。以前住んでいた古民家はその隙間から太陽の光が微妙に差し込んでもいた(それはちょっと行き過ぎかも)。

現在の密閉性に特化してエアコンを多用する家の作り方と違い、建物そのものが呼吸できる作りになっているのだろう。畳だってそうだし。

ちょうど各所が割れている廃杉板を大量にもらったのでこれを野地板にすることにした。板の周囲が割れているので、敷き詰めたときにいい感じに隙間ができている。作業は簡単。垂木に板を打ち付けていくだけだ。

垂木を切りそろえる

野地板の取り付けが済むと垂木の配置がずれているのが良くわかる。建物はぐらつくもののなんとか屋根の上に立てるようになったので、上から下から、垂木のはみ出た部分をノコギリでカットした。

その流れで桁や梁のはみ出た部分もカット。

設計図なしの素人仕事だとこういった効率の悪い作業が生まれるものだ。最初からもっと短くしておけばよかったのだが、その頃は屋根のプランが決まってなかったこともあり仕方がない。

ただでさえノコギリは疲れるのに、こんな切りづらい箇所を切るのは一苦労である。

体力をすり減らしながらも切断完了。やっとこれで屋根を葺く準備ができた。

次の記事では屋根葺きをご紹介、と行きたいところだが、その前に屋根材を作らねばならない。

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百姓2.0/自給リスト(自足に限らず);野菜、米、塩、味噌、建築、トイレ、経済、国家、獣肉(拾い物)、書籍、映像、音楽 etc /自著『旅をふりかえる旅』https://amzn.to/2Wb1mNs、『下らない生き方』https://amzn.to/2ZEjgKf /
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