コンポストトイレ小屋を人力で作る 11.小屋の一部がカビたので煙で燻してみる

梅雨真っ盛りでジメジメした日が続いている。

と言いたいところだが、梅雨というほど雨が降っていないようにも思える。しかしそれでも手作業による田植えとその準備に明け暮れる間に、小屋にカビが生えてしまったのだ。

特に雨で濡れているときは黒いカビがよく目立つ。赤いカビも生えているようだ。

しかし観察してみると、カビが生えている材と、そうでない材に分かれていることがすぐに分かる。むしろカビている材は「それはそうだろ」と言いたくなる条件のものでもあるのだ。

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カビが生えた木は伐採したて

カビが生えたのは左右の梁に使用した松二本と、建物後方の桁に使用した杉一本だ。

これらの木材に共通していることは、どちらも伐採したてホヤホヤの物をその後1ヶ月も経たないうちに使ってしまっていること。これは通常、木材は乾燥させて使うというセオリーを完全に無視している。そんなことは百も承知だ。百も承知でありながら、イマココにあるものを使うということを重視している。そしてこうやって同時に勉強しているのだ。

杉の方は真っ黒にカビたのを磨いてから使っているし、松は伐採して一週間くらいのものを皮を剥いですぐに梁にしている。杉の方は2回目のカビということになる。

とりあえずちょっとした作業の合間にスチールウールで磨いて綺麗にしたものの、半分落ちたが半分は落ちないという感じ。それでも少しは綺麗になって安心していたところ、その次の雨に打たれてまた黒ずんでしまった。雨で濡れると黒さが目立つというのもあるようだが。

他の材にはカビが生えていない様子なので、やはり乾燥が足りないのが主な原因なのだろう。

それに加え、木々が最も活発に活動するのが春先からお盆前。この時期は根から大量の水分を吸い上げているので特に含水量が多くなるのだが、カビた木材たちは5月に切り出したのでこの条件にぴったりと当てはまる。詳しくは以前の記事に書いているのでそちらを参照されたし。

コンポストトイレ小屋を人力で作る 6.杉、松、栗の皮むき
下水道に繋がる一般的な水洗トイレではなく、汚物を堆肥化して循環させるバケツ型コンポストトイレを小屋から作る一連の記録。間伐した丸太や廃材を利用し、限りなく手作業に頼った、持続可能な建築を模索する。第六回は小屋に使う丸太の皮剥きについて。

しかし、一本だけ例外の木があるじゃないか。

カビが生えていない木は燻していた

今回カビた杉(桁に使ったもの)と同じタイミングで伐採した杉を四本中一本の柱に利用しているのだが、これだけは伐採から間もないのにカビていない。

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その違いを探してみると、カビていないこの杉柱は煙で燻していたのだ。

それは建築の過程で大量に出た木屑を有効利用するために、床下に配置するための炭を作っていたときのこと。切り出したばかりで乾燥が足りない杉の柱に少しでも良い効果を及ぼすことができればと思い、その表面を炭化させようとしたのだが、燃やしすぎることにビビってあまり焦がすことが出来なかったのだ。

コンポストトイレ小屋を人力で作る 7.小屋の床下になるところで直接炭を焼いて敷く
下水道に繋がる一般的な水洗トイレではなく、汚物を堆肥化して循環させるバケツ型コンポストトイレを小屋から作る一連の記録。間伐した丸太や廃材を利用し、限りなく手作業に頼った、持続可能な建築を模索する。第七回は小屋の床下となる部分で炭を焼いて敷き詰める。

しかし焦がすことができないとしても、煙で燻してさえおけば、囲炉裏の煙で燻された古民家のように木材に防腐や防虫などの処理を施せるのではと期待したのだった。

燻したと言ってもせいぜいが2〜3時間程度で、長い年月煙にさらされた古民家とは訳が違うのだが、それでも実際に燻した木だけはカビていないという結果が眼前にある。これには驚いた。

もしかするとこのカビなかった杉は伐採前から軽く立ち枯れ状態で元気が無く、水分量が少ないのではないかとも考えた。しかし思い返してみると、この杉も一度はカビてしまったのをスチールウールで綺麗にして使ったのだ。煙で燻したのはその後。そして燻した後はカビが生えなくなった。

一歩間違えれば木造家屋などあっという間に燃やし尽くしてしまう力をもつ火は、木にとっては破壊の側面を持つが、同時にその火のエネルギーを燻製や炭化によって木材に宿すことによってその保存性を高めることができる。

適量であれば薬となるものも、摂り過ぎれば毒となる。すべての存在や現象は陰陽を備えていることがよくわかる。何事も使いようだ。敵も味方も見方次第と言っていい。

カビた木を燻す

カビてしまった梁と桁は再びスチールウールで磨きをかけて、焚き火の煙で燻すことにした。これで伐採直後なのにカビていない杉の柱と同条件になる。

それでも今現在は梅雨の真っ只中だし、このあともジメジメした日本の夏がやってくる。湿度の高い日本の風土は腐敗に導く生命活動も活発なので全く油断はできない。まだまだ対策は必要であろう。何しろ人の住まなくなった家は簡単に朽ちてしまうものだからだ。

国敗れて山河あり

それでよい

僕は国でなくて山河のために生きている

のだけれども、折角つくったトイレ小屋があっという間に山河に還ったら、建築に利用した資源がもったいないし、糞尿を資源として有効活用できなくなってしまう。それでは山河のためにならない。

今のところ思いつくことは、これから出てくる端材などを整理するためにも、建物の中心で焚き火にして建材をスモークしてやることと、一刻も早く屋根を葺くことだ。

実は六月末現在、一週間から十日ほど出かけてしまっており、この文章はその出先で書いている。

梅雨もまだまだ中盤だというのに屋根もないまま小屋を放置しておくわけにはいかないということで、二日間の集中工事によって一気に屋根を葺きあげてから出発している。

次回以降の記事でその屋根作りについて紹介することになる。これでついに骨組みの工事から、内外装の工事に入っていくことになる。

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