個人事業開業前に所有していた中古軽自動車を固定資産として減価償却するための帳簿付け

当ブログも僅かばかりであるが収益が出始めてきたことと、これからもしっかりと稼ぎにして行こうという意気込みも加味して、事業としてやって行くこととした。温めているビジネスプランも幾つかあったりするし。

個人事業主として開業したのが2018年9月。青色申告の申請もした。そんなわけで2019年が明けてからというものの、少しづつ確定申告を進めてきた。まったく知識のないところからだったので勉強しながらではあるが、会計ソフトを使ったのでほとんど家計簿付けレベルのことをしておけば必要な帳簿類が作成されるのはありがたい。僕は『やよいの青色申告オンラインを使った』初年度無料も嬉しい。

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さて、その青色申告でなかなか解決しなかったことが一点あるので、自らの備忘録も兼ねてここに記して置こうと思う。ググっても痒いところに手は届かなかったので、結局二度税務署に電話をして教えてもらうことになった。

それが、「個人事業開業前に所有していた中古軽自動車を固定資産として減価償却するための帳簿付け」である。嗚呼、長い。

開業前に持っていた車は経費にできる

個人事業を立ち上げるに当たって必要となった経費は「開業費」と呼ばれ、繰越資産として毎年少しづつ経費として計上することが許されている。

しかし10万円以上する車やパソコンなどは開業費に算入することはできない。その代わり固定資産として扱うことはできる。毎年、その固定資産の価値の減価償却した分を経費とするわけだ。

ただし、開業前に所有していた固定資産を事業用とする場合には、それまでの個人用の使用で価値が減じた分を考慮に入れなければならないのである。

個人用から事業用にした資産の減額分の計算方法

税務署のページを見ると、以下のように書いてある。

非業務用の減価償却資産を業務の用に供した場合の、その業務の用に供した後におけるその資産の償却費の額は、その資産の取得価額(取得に要した金額並びに設備費及び改良費の額の合計額)に、その資産の耐用年数に1.5を乗じて計算した年数(1年未満の端数がある場合は切り捨てます。)により旧定額法の方法で計算した金額を基に、その資産を取得した日から業務の用に供した日までの期間(1年未満の端数が生じた場合は、6か月以上は1年とし、6か月未満の端数は切り捨てます。)に係る年数を乗じた金額を取得価額から控除した金額を未償却残額として計算します(所得税法施行令第135条)。

個人用の固定資産を業務用にする場合に償却可能な金額は、

取得額 −(法定耐用年数×1.5の旧定額法の償却率)×(取得してから業務用にするまでの期間[6ヶ月以上は1年、6ヶ月未満は切り捨て])

以上の額を取得額から差し引いた額が未償却残高となる。

言葉だとまったくと言っていいほど分かりにくいので、次に実例とともに計算して見たいと思う。

愛車のスズキエブリィで計算してみる

僕が実際に行った計算をここでしてみよう。

僕が乗っている車は、スズキの軽自動車「エブリィ」である。車が必要になって急いでヤフオクで探して、その日に見つけたのをその日に即決で落札するという超スピード取引であった。価格は32万5000円。まだ新車登録から10年経っておらず、四駆でマニュアルでハイルーフの軽バンとしては悪くないと思う。

個人的にはかなり車中泊をしているから、元を取り尽くした気になっている。車は移動手段としてだけでなく、居住空間として見れば随分と安く感じるものである。

さて話を戻すと、この車を開業時までに9ヶ月使用していた。そして軽自動車の耐用年数は4年である。まとめると

・取得額:325,000円
・法定耐用年数:4年
・開業までの使用期間:9ヶ月

・4年の耐用年数を1.5倍すると6年となる。その時の旧定額法の償却率は0.166。
・開業前の使用は9ヶ月だが、6ヶ月以上は1年として計算する。

これを式に当てはめると

325,000 × 0.9 × 0.166 × 1 = 48,555

これが開業までに使用した分の減価の額であるから、これを取得金額から差し引くと未償却残高を求めることができる。これが開業時に僕のエブリィに残された経費計上できる価値となる。

325,000 – 48,555 = 276,445

未償却残高を経費計上する

さて次はこの残りの276,455円をいかにして経費とするかである。個人事業主は基本的に定額法を採用することになるようだ。

減価償却の計算は複雑ではない。資産の価格に償却率を乗ずるだけである。しかし初心者の僕にとってはトリッキーな点がいくつかあったので、整理したいと思う。

まず、減価償却費の計算の元となる資産の価値は元の取得額の325,000円であって、事業に供与した際の価値である276,445円ではない。

先の計算では新車としての法定耐用年数である4年を元にしたのに対し、ここでの耐用年数は中古車としての耐用年数を求めなくてはならない。僕の車のように法定耐用年数を消化している場合は「法定耐用年数×20%」を耐用年数とするから、4×20%=0.8年となるが、2年未満は耐用年数2年とすることとなっている。

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次に耐用年数2年の償却率を求めるのだが、先ほどが旧定額法を採用したのに対し、ここでの計算は定額法を使う。なんとややこしいのだろうか。まあ、耐用年数2年であれば何れにせよ0.5となる。

これを計算すると以下のようになる。

325,000 × 0.5 = 162,500

さらに、僕が開業したのは9月なので、2018年に事業として使ったのは4ヶ月ということになる。従って

162,500 × 4/12 = 54,167円

2018年の減価償却費は54,167円ということなる。

さらに、僕はこの車を事業と個人と半分で使っているので、経費にできるのも半分となるこれを按分という。

従って経費として計上できるのは27,084円となった。小数点は繰り上げで良いのだそうだ。

青色申告提出書類にどのように記載するか

これで計算も終わって安心していたが、提出書類の「減価償却費の計算」の欄にどのように書くべきかわからなかったので、税務署に電話させてもらった。

ありがたいことに、計算方法を一つ一つ確認したり、どの欄にどのように埋めるべきかも二人三脚で対応してくれるのでとても助かった。

結果、以下のように記載することとなった。

・減価償却資産の名称等:軽自動車
・面積又は数量:1台
・取得年月:30年9月(実際の取得ではなく、事業として使用を始めた年月だそうだ)
・取得金額:325,000円(事業開始時の未償却額である276,455円を書くかと思っていたが違うらしい)
・償却の基礎になる金額:325,000円
・償却方法:定額
・耐用年数:2年
・償却率:0.500
・本年中の償却期間;4/12月
・本年分の普通償却費:54,167円
・本年分の償却費合計:54,167円
・事業専用割合:50%
・本年分の必要経費算入:27,084円
・未償却残高:222,278円(未償却額の276,445から54,167を引いた額)

困ったら税務署に電話するのが早い

税務署に電話をしなかったら、きっと悩み続けていたことと思う。実際、プロから見ても複雑なようで、1度目の電話で確認したことを、念のため2度目の電話で別の担当にも再度確認したら答えが違っていた。最初に電話した方はこう言ってましたよと問うと、やはり最初の人の回答が正しかったらしい。

だから、僕のこの記事に限らず、ネットの情報を鵜呑みにせず、困ったことは管轄の税務署に相談してみるのが良いだろう。担当者や管轄によって答えは多少違う可能性もあり得る。

まあ、間違いがあったら提出後にでも指摘してくれるだろうからそんなに心配もしていない。税務署に確認したという実績もあるしね。それに、こういったお金の話は完璧を求められるのが常かもしれないが、僕は完璧なんて不可能だと思っているし、最大限正確を期して、誠実さをもって申告していれば良いだろうと考えている。甘いのだろうか?

青色申告の勧め

それにしても難しいイメージしかなかった青色申告の複式簿記も会計ソフトを使えば簡単なものである。もちろんどの科目で経費計上すべきかなど、勘所を掴む必要はあるが、大した話ではない。貸借対照表も損益計算書も簡単に出力できる。青色申告は控除が65万円ある分、控除10万の白色申告より帳簿づけの難易度は高いが、どうせ会計ソフトを使えば簡単だ。

むしろみんな青色申告して税金を減らした方が良いと思う。手間をかける価値がある。なんだったら小さい会社なんかは全員個人事業主の集団にしてしまった方が良いのではないだろうかとさえ思ったりする。会社員なら基礎控除の38万円だけだが、個人事業主ならプラス65万円の103万円となる。これによって減額される所得税はバカにならないだろう。(平成32年からは基礎控除48万円、青色申告特別控除55万となる)

帳簿の手間さえかければ、今までと同じ額面の報酬でも、手元に残る金額がかなり増える。昇給したようなものである。経費計上の幅も増えるから尚のことであると思う。

それによって一社員だった意識も、一経営者的目線にアップデートされ、指示される側から、自らを指示していく側へ変化していくことだろう。もはや会社というより、組合的といったようが良いのかもしれない。トップダウンからボトムアップへ。個人が強くなっている今の時代ほど、この後者のような組織が力を持っていくような気がしている。まあ、戯言です。

もっというと、青色申告のような複式簿記は中学校くらいで教えるべきだろう。経理のことなんてチンプンカンプンで、社会のいいなりとなるような人材を育てるのが公教育のように見えてしまうのはあながち間違っていないように思える。なにせ日本の教育は軍国教育の慣れの果てだ。それに節税の知識なんて伝授してしまっては、税収が落ちる。

いやいや、公教育で節税の知識を教えてくれるような国だったらもっと愛国心も生まれ得ようと僕は思う。もっと公共を信頼できるだろうし、行政の活動にコミットするモチベーションも湧くのではないか。

税金が行政活動への参加費だと考えると、現在においては参加費の無駄だとしか思われても仕方がないように感じる。解約したい。でも、できない。クーリングオフが効かない。一生取られる参加費。

いかに税金を快く払いたくなるようなまちづくり、国づくりをするか。それに尽きると思う。しかし税収は多ければいいという考えでは、誰も払いたくなくなる。むしろ税収が減っても、行政に積極的に関わる人たちが増える方が、まちづくりは推し進められていくように感じる。何しろ人件費ほど経費のかかるものはない。

このままいくと、話がひたすら脱線して行きそうなのでこの辺で強制的にストップすることにしよう。兎にも角にも税金については詳しくなった方がいいと思う。そこから共同体としての個人と行政との関係が作られていくのだとも思う。

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百姓2.0/自給リスト(自足に限らず);野菜、米、塩、味噌、建築、トイレ、経済、国家、獣肉(拾い物)、書籍、映像、音楽 etc /自著『旅をふりかえる旅』https://amzn.to/2Wb1mNs、『下らない生き方』https://amzn.to/2ZEjgKf /
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